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個人開発者が「自分の販売ページ」を持つ最小構成 — ドメイン+サーバー+決済を月1,000円で

Chrome拡張を公開して5ヶ月、売上ゼロでした。原因の一つは「ストアの外に、価格と理由を書いた自分のページが無かった」こと。いま使っている構成をそのまま書きます。

更新: 2026年10月 · 読了 約9分 · 執筆: 坂口亮介(Lumina Spark)

本記事には広告(アフィリエイトリンク)を含みます。紹介しているサービスは、筆者が実際に契約・利用しているか、同等の用途で比較検討したものに限っています。

ストアに出しただけでは売れない理由

Chrome Web Store、App Store、Microsoft Store。「ストアに出せば販売ページは要らない」と思っていた時期が私にもありました。実際には、ストアのページには3つの弱点があります。

私の場合、さらに恥ずかしい理由が2つありました。販売ページに料金が載っていなかった(5ヶ月間コメントアウトされていた)ことと、拡張機能のライセンス判定が最初からProになっていたことです。この2つの話はnoteの有料記事に全部書いたので、ここでは「ページを持つ」方に絞ります。

最小構成は3点だけ

部品役割私の選択月額の目安
1. 独自ドメイン信頼と検索。ストアのURLより覚えやすい.com(サーバー契約の無料特典)¥0〜150
2. サーバー静的HTML1枚と、問い合わせフォーム・アクセス解析を置くレンタルサーバー(共用)¥700〜1,100
3. 決済+ライセンスカード決済、領収書、ライセンスキーの発行と検証APILemon Squeezy売上の5% + $0.50/件

合計で月1,000円前後。これより安くする方法(全部無料)もありますが、後述の理由で私はこの構成に落ち着きました。

1. サーバー: 無料ホスティングかレンタルサーバーか

選択肢費用できること向いている段階
GitHub Pages無料静的HTMLのみ。独自ドメイン可。PHP・フォーム不可まずページを1枚出す段階。READMEとの相性が良い
Vercel / Netlify / Cloudflare Pages無料枠あり静的+サーバーレス関数。商用利用は有料プラン条件を確認Next.js等で作る人。日本語のサポートは無い
レンタルサーバー(エックスサーバー)スタンダード 月¥990〜1,100(契約期間で変動)。初期費用無料、独自ドメイン無料特典、10日間無料静的HTML+PHP+メール+アクセスログ。WordPressも動く問い合わせフォームと独自ドメインのメールが要る段階
レンタルサーバー(ConoHa WING)ベーシック 月¥678〜990(契約期間で変動)。初期費用無料、独自ドメイン無料特典同上。管理画面が新しく、表示速度の評判が良い同上。価格重視ならこちら

私は静的HTML 1枚 + 問い合わせ用のPHP + Google Tag Manager という構成で、共用のレンタルサーバーに置いています。理由は「問い合わせフォーム」と「独自ドメインのメールアドレス」が、法人向けライセンス(領収書の発行先)を売り始めた時点で必要になったからです。個人向けだけなら、GitHub Pagesで始めて困ってから移せば十分です。

エックスサーバー公式 ConoHa WING公式

料金はキャンペーンで月ごとに変わるので、契約期間(12ヶ月か36ヶ月か)と無料ドメインの個数を申し込み画面で確認してください(上の数字は2026年10月時点の目安)。

2. ドメイン: サーバーの無料特典で足りる

別途ドメイン業者で取る必要はありません。上記のレンタルサーバーはどちらも契約中は独自ドメインが無料(更新費用も無料)です。選ぶのは .com か .app。日本語ユーザーしか想定しなくても、.jp は年額が高く、海外販売に広げたときに損をします。

ドメイン名はプロダクト名ではなく屋号にしておくと、2つ目のプロダクトを同じサイトで売れます。私は luminasparkdesign.com の下に /CloudMigrator.html と /jp/CloudMigrator.html を置いています。

3. 決済とライセンス: 4つの比較

サービス手数料(目安)税務(消費税/VAT)ライセンスキー向いている人
Lemon Squeezy5% + $0.50/件販売者(MoR)として代行。海外の税は考えなくてよい発行・有効化・検証APIが標準海外にも売る。アプリ・拡張機能のキー管理をしたい
Stripe3.6%(国内カード)自分で処理自作が必要国内中心で手数料を抑えたい。サブスク設計を細かくやる
Gumroad10% + 決済手数料MoRとして代行簡易なキー発行ありデジタルコンテンツを手早く。手数料は高い
BOOTH5.6% + ¥22/件国内のみなし日本語圏の個人向け。クリエイター文脈が合う場合

私がLemon Squeezyにした決め手は、ライセンスキーの「有効化」と「検証」のAPIが最初からあることです。アプリ側は /v1/licenses/activate にキーを送り、返ってきた valid と store_id・product_id・variant_id を照合するだけで済みます。

照合を忘れると、他人の商品のキーで自分のProが開きます。APIの valid: true は「キーとして有効」という意味でしかなく、どの商品のキーかは別の項目にあります。この1点を見落として公開した話は、X(@skgc0123)とnoteに実録で残しています。
// Lemon Squeezy のライセンス検証(最小)
const r = await fetch("https://api.lemonsqueezy.com/v1/licenses/validate", {
  method: "POST",
  headers: { "Accept": "application/json", "Content-Type": "application/x-www-form-urlencoded" },
  body: new URLSearchParams({ license_key: key, instance_id: instanceId })
});
const j = await r.json();
const ok = j.valid === true
  && j.meta.store_id   === MY_STORE_ID
  && j.meta.product_id === MY_PRODUCT_ID;   // ← ここを省くと事故る

4. ページに最低限載せるもの

  1. 価格。3列(無料 / 個人 / 法人)で、無料版の上限を数字で書く。「料金が載っていないページ」は、載っていないこと自体が不信の理由になります。
  2. 無料版のダウンロードボタン。購入の前に必ず試せること。
  3. 買い切りかサブスクか。一言で。
  4. OS・対応環境・既知の制約。Macの「開発元を確認できません」の対処まで書く。
  5. 返金・プライバシー・特定商取引法の表記。法人に売るなら必須。1枚ずつ別ページで。
  6. 問い合わせ先。フォームかメール。ここでレンタルサーバーのPHPが効く。

5. 公開後の導線(ページを作っただけでは誰も来ない)

自分のページができたら、次は「誰がどこから来るか」です。私が使っている3本の導線です。

6. 売れた後の税務(忘れると翌年の3月に困る)

副業の所得(売上 − 経費)が年20万円を超えると確定申告が必要です。サーバー代・ドメイン代・決済手数料・開発に使ったPCやソフトは経費になります。初年度から会計ソフトで売上と経費を記録しておくと、申告のときにLemon Squeezyの明細(ドル建て)を円換算し直す作業が消えます。

マネーフォワード クラウド確定申告公式 freee会計公式

どちらも無料プランか無料期間があります。「開業届を出して青色申告にするか」は、売上が月数万円を超えてから考えれば十分です。

公開前チェックリスト(10項目)

  1. 価格がページに表示されている(コメントアウトされていない)
  2. 購入ボタンがテスト環境ではなく本番の決済URLを指している
  3. 無料版の上限が数字で書かれている
  4. ライセンス検証が store_id / product_id / variant_id を照合している
  5. ライセンスの有効期限設定が「買い切り」と矛盾していない(1年で失効する設定になっていないか)
  6. 購入 → キー受信 → 有効化 → 再起動、を第三者のアカウントで通した
  7. 返金・プライバシー・特商法のページがある
  8. 「外部送信なし」と書くなら、本当に何も送っていない(faviconの取得などで外部ドメインに送っていないか)
  9. OG画像とタイトルが設定されていて、Xに貼ったときにカードが出る
  10. 問い合わせフォームが自分のメールに届く

23項目の詳細版と、売上ゼロだった5ヶ月の原因の全記録

課金フラグの初期値、消えた購入リンク、1年で失効するライセンス設定、「完全ローカル」のはずの外部送信。自分の2製品で起きたことを全部洗い出した有料記事(¥1,480)です。無料部分だけで原因の大半は分かります。

noteで読む

FAQ

WordPressは要りますか?

販売ページ1枚なら要りません。記事を自分のサイトで書き続けるつもりなら入れてもいいですが、私はnoteに記事を置いてサイトは静的HTMLのまま、という分担にしています。更新が無いページはHTML 1枚の方が速く、壊れません。

法人に売るときに追加で要るものは?

領収書(Lemon Squeezyは購入直後に発行される)、特定商取引法の表記、台数ライセンスの条件、問い合わせ先。この4つが揃っていれば、稟議に回る金額(数万円)までは普通に通ります。

海外に売るつもりが無くてもLemon Squeezyでいい?

問題ありません。日本円表示にも対応しています。逆に、将来海外に売る可能性が少しでもあるなら、最初からMoR型にしておくと税務の作り直しが要りません。

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