PC買い替え前のデータ移動は「外付けSSD」か「クラウド」か — 量で決める早見表と手順
迷う原因は「どっちが良いか」で考えるからです。移す量で決めれば、選択肢は1つに絞れます。
本記事には広告(Amazonアソシエイト等のアフィリエイトリンク)を含みます。紹介している製品は筆者が実際に使っている種類のものに限っています。
PCを買い替えるとき、旧PCのデータを新PCへ持っていく方法は大きく2つしかありません。外付けのSSD/HDDに一度コピーするか、クラウドにアップロードして新PCで同期するかです。どちらが正解かは人によって違う、と言いたくなりますが、実際には「量」でほぼ決まります。
結論: 移す量で決める早見表
| 移すデータ量 | おすすめ | 費用 | 所要時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 〜100GB | クラウド(既存契約・無料枠) | ¥0 | 上り100Mbpsで約2〜3時間(放置でよい) |
| 100GB〜1TB | 外付けSSD | ¥10,000〜25,000(1〜2TB) | USB 10Gbps接続で100GBあたり3〜5分 |
| 1TB〜 | 外付けSSD + クラウドの併用 | SSD代 + 月額 | 写真・動画はSSD、書類はクラウド |
境目が100GBなのは回線の物理です。一般的な家庭回線の上りは実効で100Mbps前後、100GB(=800Gbit)を上げるのに2時間強かかります。500GBなら半日、1TBなら丸1日PCを占有します。一方、USB 3.2 Gen2(10Gbps)で繋いだSSDは実測で400〜800MB/s出るので、100GBが3〜5分で終わります。100GBを超えたらクラウド経由は「遅い」ではなく「現実的でない」と考えてください。
外付けSSDを選ぶ3条件
売り場には無数にありますが、見る点は3つだけです。
- 接続規格が USB 3.2 Gen2(10Gbps)以上。「USB 3.0」「5Gbps」と書かれた製品は半分の速度です。USB4/Thunderboltは速いが高価で、PC側が対応していないと意味がありません。10Gbpsが価格と速度の落としどころです。
- 容量は「今のデータ量の2倍」。移動が終わった後、そのSSDはそのままバックアップ先になります。ぴったりの容量だと1年で足りなくなります。旧PCの使用量が400GBなら1TB、800GBなら2TB。
- メーカー保証3年以上。SSDは突然死します。保証が短い無名ブランドは、安くても結局高くつきます。
そして見落とされがちなのがケーブルです。SSDに同梱のケーブルが短い・古い場合、10Gbps対応のUSB-Cケーブルに替えるだけで速度が倍になることがあります。
具体的に探すなら
検索結果で「USB 3.2 Gen2」「10Gbps」「保証3年」の3語を確認して選んでください。価格はおおむね1TBで1万円台前半、2TBで2万円前後(2026年10月時点)。
新PCにUSB-Aポートが無く、旧周辺機器(マウスのレシーバー、SDカード、HDMI)が刺さらないケースも多いので、買い替え時にハブを1つ足しておくと移行当日に詰まりません。
クラウドに逃がす場合の選択肢
100GB以下、または「買い替え後もずっとクラウドに置く」なら、月額の契約を1つ選びます。2TBで比べると次の通りです(2026年10月時点の目安。価格は各公式サイトで確認してください)。
| サービス | 2TBの料金 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Google One(AI Plus) | 月額 ¥1,450 | Gmail・Android・Google Workspace中心の人 |
| iCloud+ | 月額 ¥1,800(2026年7月改定) | Mac・iPhone中心で、写真をiCloudに置く人 |
| OneDrive(Microsoft 365に同梱) | 年額契約で1TB + Office込み | Word/Excelを使う人。容量より Office が目的なら最安 |
| pCloud(買い切り) | 通常 $499、セール時 $279〜379 | 月額をやめたい人。3〜5年使えば月額より安くなる |
「どれを選ぶか」の判断フローと損益分岐点は、クラウドの乗り換え先を2026年の料金で比較した記事にまとめています。
旧PCから新PCへ移す手順(順番が全部)
- 棚卸し: 旧PCの「ユーザー」フォルダ直下の各フォルダのサイズを書き出す。デスクトップ、書類、ダウンロード、ピクチャ、ビデオ、ミュージック。これが最後の照合に使う数字です。
- 捨てる。ダウンロードフォルダの中身、古いインストーラー、重複した写真。移す前に30%減らせば、移行時間も失敗の確率も30%減ります。
- コピーする(移動しない)。SSDへ「コピー」。新PCへも「コピー」。旧PC側はまだ消さない。
- 新PCで開く。ファイル数とサイズを棚卸しの数字と照合し、失ったら困るファイルを5つ実際に開く。ランダムな5つではなく、本当に困る5つです。
- 旧PCは30日残す。移行当日に初期化・売却するのが、取り返しのつかない失敗の典型です。「あのファイルどこ?」は必ず2週間後に来ます。
よくある失敗(全部経験談)
- ダウンロードフォルダを移し忘れる。「書類」には無いが、ダウンロードに大事なPDFが溜まっているのが普通です。
- ブラウザのプロファイルを忘れる。パスワード・ブックマーク・拡張機能。Chrome/Edge/Safariはアカウント同期をオンにしておけば自動で来ますが、ローカル保存のパスワードは来ません。
- ライセンス認証の解除を忘れる。Adobe・Office・音楽制作ソフトは「台数制限」があり、旧PCで解除(サインアウト)しないと新PCで認証できません。初期化前に必ず。
- メールのローカルデータ。Outlookの .pst、Thunderbirdのプロファイルはクラウド同期の対象外です。IMAPなら再設定で戻りますが、POPで受信していた古いメールはローカルにしかありません。
- 開発環境・ゲームのセーブ。~/.ssh、~/.config、Steamのセーブ(クラウド非対応のタイトル)。エンジニアは
~/.sshを忘れると翌朝に困ります。
FAQ
Time Machine / Windowsバックアップからの復元で足りませんか?
同じOS・同じアーキテクチャなら「移行アシスタント」(Mac)や「Windows バックアップ」で丸ごと移せます。ただし、不要なものまで全部来るので、買い替えを「整理の機会」にしたい人には向きません。この記事の方法は「必要なものだけ運ぶ」やり方です。
SSDとHDD、どちらを買うべきですか?
移行用ならSSD一択です(速度が10倍違う)。「移行後に写真・動画の長期保管庫にしたい」なら、容量単価の安い4TBのポータブルHDDを別に1台、という組み合わせが現実的です。
データが別々のクラウドにあって、それをまとめたい場合は?
OneDrive→Google Driveのようにクラウド同士で動かす場合は、PCにダウンロードせず直接転送できるツールを使います。無料ならrclone(コマンド操作)、画面で操作したいなら私たちが作っているアプリがあります。
Universal Cloud Migrator
Google Drive・OneDrive・Dropbox・Box の間で、PCにダウンロードせずフォルダ単位で直接転送するMac/Windowsアプリです。PCの空き容量ゼロでも動き、途中で止まっても転送済みを飛ばして再開します。毎月2GBまで無料、Proは¥1,500の買い切り(サブスクではありません)。
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